ブログ

2016-06-24 10:00:00

ハピネス

桐野夏生さんの小説の中に高層マンションに暮らす子連れのママた ちの心の行方を描いたハピネスというのがあります。
前回書かせて頂きましたブログの中の未婚の女性の心の行方がこの ハピネスという小説と重なっていて面白いじゃないかという声が入 ってきました。
皆さんは桐野夏生さんのハピネスを読まれましたでしょうか。
天動説と三種の神器にどっぷり漬かった人たちの言動の面白さが目 に染みます。
このプログラムの参加者が刺激されて一晩で読んでしまったという ことです。
その方の言葉を活用させて頂きます。
子連れのママたちの欲求は痛いほどよく理解できます。
よく言えば周りの人たちの心やメンツ、 プライドが傷付かないように楽しくいられるように、 みんな仲良く高層マンションの生活を乱さずに暮らしていけるよう に実に心細やかに配慮して過ごしています。
ところがその配慮というのは幻想というか思い込みというか理想像 というか、本音とはかけ離れています。
表面上のうわべだけの仲良しごっこは徹底して演出されています。
これが小説だとはとても思えません。
すぐ隣でやっている井戸端会議やメールの交信のようで実にリアル なものです。
その現実を知ってか知らずか花奈ちゃんや美雨ちゃんいぶきちゃん の言動も、 地動説的で天動説を無意識にやっている大人にとってはハラハラド キドキです。
子供にしても大人にしても、 いずれも自分のことしか考えていないのは明白です。

子供は地動説ですから基本的に他人を傷付けていません。

意見の衝突によるケンカや好き嫌いはあります。

そして子供は誰に対しても対等です。 これに対して大人は自分の欲望、エゴ、メンツ、 プライド等を満たすために嘘ごまかしを交えたトリックで演じてい ます。
その為差別を演出する方法として低層階、中層階、 高層階のどこに住んでいるか、分譲か賃貸か、 前歴は夫の収入と学歴は、流行の服か否か、 ブランド物かユニクロか、朝食は何食べたかラーメンか、 おやつは安物のみかんかメロンか等々とエンドレスゲームです。
幻想の何かに演ずることに夢中になって年とって、 いったい自分は誰なんだろう、何なんだろう、 自分は何したいんだろう、どうして生きているんだろう…
大人になって育て上げた子供に嫌われ怖がられて… 老後がいったいどうなっちゃうんだろう…。
このように幻想というトリックにはまってしまう老若男女はあなた の隣にも居ます。
どこにでもある話です。
あなたが他人事だと思うとしたら、 それはトリックかもしれません…
意識が覚醒してきている人だけが理解できる話なのです、 悪しからず。

 

■ 健康コンシェルジュ 気戸 ■
ホームページ / メール / 電話をかける