前回に取り上げた地動説的生き方は、 誰もがまたは多くの方が賛同なさるものと思います。 誰もがまたは多くの方が現実には出来得ないと推察致します。 下記の文章は組織に生きる方の本音をより客観的にまとめてみまし た。 ありのままですので現実を見たくない方は今回は飛ばしたほうがい いかもしれません。 未来をらくで楽しくしたいと思う方なら近道になります。 プログラム参加者なら合点しますが…。 最近の電気屋さんや銀行屋さんで働いている方になりきって下され ばご理解頂けるかもしれません。
組織における現在の管理職ポストを意地でも守り抜くために、 閑職への配置転換や子会社への出向、 さらにはリストラから逃れようと仕事での地位確保に拘り、 家庭では夫として父親としての自らの存在感を何としてでも死守し ようと家族での在り処を求めて躍起になってしまう。 背景には男たち自身の意志だけではなく会社で生き残り出世してい くのは当たり前であり、妻子に尊敬され、 仲むつまじく暮らしていくのは男の甲斐性といった社会システムや 女性たちからの板挟みもある。 あまりにも自分の居場所に燃やすエネルギーの男としての執着が、 苦悩と絶望を噛み締めることになっていくようである。 男がそこまで渇望する居場所とは…。 管理職ポストや給与の削減ばかりか正社員であってもリストラの危 機に瀕し、 定年まで同じ会社で働くことが困難な時代を迎えていることからも 明らかなように、 会社は社員一人ひとりの待遇を保障することなど、 とうに放棄している。 妻はすでに夫が家計を支え続けることを疑問視しており、 自身が結婚当時に求めた理想の夫、 父親ではあり得ないことも悟っている。 家庭にはもう一家の支柱としての男としての威厳はなくなってしま っている。職場、家庭においても、 団塊世代などかつての男の特権を享受した男たちが当然のように確 保してきた覇権的な居場所は、もはやどこにもないようである。 それでも過去の価値観に縛られ、 周囲からの評価を気にし過ぎるために現実を直視できず浮足立った まま、夢の楽園を求めてさまよい続けている。 必死に頑張って成果を上げた分だけ会社が正当に、 公正に自己を評価してくれるならば、 たとえ考課結果が下がってもそれほど思い煩うことはないと思える 。 だが会社の人事評価は成果主義を隠れみのに正当性を失っている。 家庭でも職場での苦悩を妻に打ち明けられないがために、 また妻も夫の悩みを受け止めようとしないがために相互の心に触れ 合うことなく男たちは夫、 父親として妻子に必要とされていないという実感を強め、 ひいては仮面夫婦やファザーレス状態に陥ってしまう。 男性の多くが実は、 自身が確保したいと切望する居場所が極めて不確かであり、 仕事や妻、子ども、 母親との関係は決して自分の思い描いた通りにはならず、 組織や他者が自分に下す評価が往々にして理にかなわないことを自 覚しているのではないだろうか。 だからこそ彼らはなおいっそう悶え苦しみ会社と闘えない、 妻と相まみえない、わが子を見失う、母親から逃れられない。 そのあげく男たちを待ち受けているのが自己否定という限りなく深 き暗闇である。自分がわからない、現実から逃げたい、 何のために生きているのか?このまま消えてしまいたい、 といった己や現、 生きるということへの虚ろな語りは共通しており、 自己肯定感を得られない苦痛に彼ら自身が打ちのめされているとい う現実がある。 自己を見失った男たちは元来の男性の特性でもある、 誰かに辛さを明かしたり、 助けを求めたりすることをためらう気持ちがさらに強まり、 他者に対して心を固く閉ざしてしまう。 勇気を出して男としてのプライドをかなぐり捨て、 家族や友人地域の人々など、誰かとつながることができていれば、 少しでも状況は好転していくのではないだろうか。 こうした男たちを男の性と見る向きもあると思います。 こうした生き方のベースとなる観念はそのままにして、 新たなページを開くことも可能と考えています。