第155回芥川賞受賞者村田沙耶香さんのコンビニ人間はご存知のことと思います。 村田さんの最新本で地球星人というのがあります。 これは子宮と精巣はあなたの体の中にあるけれど、 それはあなたのものではない。 それは世間様のものであり人間工場の生産性のためにあるというス トーリーです。 相模原障害者殺人事件や最近の自民党役員の発言でお馴染みの生産 性があるかないかという世間様の好きな内容の本ではないでしょう か。 おもしろおかしく書かれているので深刻さはほとんどありません。 もう10年位前でしょうか。 国の為にご先祖様の為に未来の為にと、 ちょっと前までは考えるような事とは無縁の話だったのではないでしょうか。女性はお年頃になれば嫁となり子作りに励む。 男性はしっかりと安定した収入を家に持参することで家長として認 めてもらえる、一人前の男だと評価される。 しかもそういう世間様の評価を得ることで満面の笑みと自信を持ち 、家族を増やすことで安らぎを得ていたように思います。 そうした観念とか定義は揺らぐことはなく、 後輩や若い人達を何の抵抗もなく無意識に推奨、 洗脳していくことを誉れとしていたように思い出されます。 それがどうでしょうか。生産性という言葉を使っただけで、 何か肩身の狭い思いをしてしまう今日この頃です。 相手の何気ない一言で、その年で一度も結婚してないの? 変わってるねなんて言われて、 そうかなと言いつつ傷ついていたりする。 それはまだまだ古い定義とか観念を持っているという証明になってしまう人もいるようです。先日テレビを見ていたら、 50歳を過ぎた人はたんぱく質を肉で取る必要があります。 肉を摂取していないと筋肉は衰えていき腰やひざを壊し、 歩くのが億劫となり他の病気も誘発し、 徐々に寝たきりになってしまいます。 というような恐怖に満ちた観念や定義が染み付いてしまうと、 肉ばっかり食べることになります。 そうした観念や定義を持った学者や医者、 栄養士たちが年を重ねてどうなっているでしょうか。 その事実を知る者としては、 やはり私達は日本人ですから島国の人間ですから、 植物たんぱくとか美味しい魚介を無理なく食べているほうが無難な んだなと思ってしまいます。無意識とはいえ、 自分自身が意識することなく、 全く知らぬ間に持ち続けている観念とか定義というのは、 ひょっとしたら幻の世界なのかもしれないな~ と色々な人を見ていての感想です。