「君はどう思うかね。この地球を人体として捉えたなら、人はガン 細胞みたいなもんじゃないか。あちこちをよく見てみろよ。東にも 西にも隣国にもあちこちにガン細胞がいるよな。自分は思うんだ。 人間は共通の内的世界があると思う。ここにフォーカスできる人は 一割いないかも知れないが、私はフォーカスしていくよ。」 というお言葉を頂戴致しました。来たり来なかったりと不定期なが ら年単位で機械を受けに来ている方がいます。本人の口から言わな いので年齢不詳ながら70歳前後の方と推測しています。 ほとんど口を利きません。こちらのドアを叩いての一声は、「 空いてる?」です。帰りは早々と引き上げていくのでほとんど話し た事がありません。そうした方がどうして受け続けているのかを独 り言のように話されました。その一部が最初の文章です。以前は仕事バリバリの有名企業の商社 マンだったのだそうです。いい男だし女が放っておかないという空 気感です。きっかけは知りませんが、地位、名誉、 金に執着していたのが、ある日突然バカバカしくなってきたのだそ うです。機械を受け続けていると油ものや高額の食べ物にも関心が 向かなくなり、今まであまり噛まないで食べていたのに噛むように なってしまったというのです。すると、自然な素材がちゃんとした ものしか旨く感じなくなってきたそうです。 だから油漬け添加物の物がうさんくさくなっちゃったんだ。それに 自分の身体は柔らかいと思っていたのに、実はすごく固いという事 を認めたくないけれど認めざるを得ない体験もあったのだそうです 。ところが今柔らかいというのです。血圧も下がり糖尿の気もなくなり、なによりも腹が立つ事が非常に減っ てしまったと言っています。いわゆる絶対性がバカバカしくなり相 対性に喜びを見いだせるようになったというのが不思議だとも言っ ています。詐欺師みたいな商社マンから卒業できた事が一番嬉しい 。自分は幸せに生きていきたいんだと言っていたのが…ひどく印象 的でした。また来るからなと言って帰っていきました。