こんな方がおられます。30代後半のサラリーマン。当方と縁を持 たれて時間が経っております。小笠原理論の書かれていないことも 理解している方です。こちらと縁を持つ以前には、千円のハンバー ガーよりマクドナルドのハンバーガーの方が美味しいじゃないかと 豪語する人でした。幼少時より養われてくる味覚とは、 非常に保守的だと思います。新しいもの、 異なったものを毛嫌うのは自分を守る為には、そりゃあ当然だと思 います。不安や恐怖、猜疑心等々を乗り越えて冒険するなんて… そんなのとんでもない、このバカたれが。そういう方がこちらに来 られて時間が経過しているのも面白いものです。さて、この方が連 れと共にロシア料理屋さんに行ったのだそうです。ひとつは新宿、 もうひとつは浅草。連れの方は両方共とっても美味しいじゃないとの事。こちらが耳にしたのが、連れは両方うま いというけれど、私はそうは思えないとの事です。最初は好みだと か気分のせいじゃないと軽く思っていたのだけど…本人は真剣です 。クリームスープやらストロガノフがこんなに差があるのかという のです。お袋が作ってくれた肉じゃがは形は変だけど定食屋の肉じ ゃがより心があるといった感覚というエネルギーの違いなのか…。 ホスピタリティーも異なっていたそうです。店の個性だからと話を 終えても良かったのです。そうはいきません。 小笠原理論を理論だけで終わる人もいます。理論だけでは飽きたら ず、積極的に行動する方もいます。形だけで納得する方と形も必要 だけど気が入っているかどうか…。楽で楽しいという意味が全然異 なっている事に気がつく方です。これを実行していくと、みんな変わっちゃうんだ。意識が 変わると精神が肉体が好みが味覚が…みんな変わっちゃうんだ。連 れには理解できないのが自分にはわかっちゃったんだ。これが選択 のひとつなんだ。そしたら他にもいっぱいいっぱいあるってことに なる。新宿の店なら時間もお金も心も使っても悔いはない。こうし た選択の積み重ねが大きく変わってしまうことだという事を認識な さったようです。そして最後に言っていました。努力なんていらね ーじゃねーか…でした。